今回からは、プロモーションにおけるコミュニケーション開発について述べていきます。これまでのプロモーションに関する本ブログの内容は、次のとおりです。 プロモーションその1(プロモーションミックス①)、その2(プロモーションミックス②)、その3(コミュニケーションの前提)、その4(マクロモデル)、その5(購買者の意思決定プロセス①)、その6(購買者の意思決定プロセス②)
マーケティング/ブランド担当者は通常、コミュニケーションを、自社の顧客とターゲットにしている消費者や見込客に対して、自社のプロダクト(製品、サービス)を購入/利用してもらうように説得するための手段として捉えています。
これを効果的に行うためには、以下の8つのステップで、コミュニケーションの開発をすすめ、管理していきます。
1. 市場の理解とターゲットオーディエンスの明確化
2. コミュニケーションの目的設定
3. コミュニケーションの設計
4. コミュニケーションチャネルの選択
5. コミュニケーション予算の決定
6. コミュニケーションミックスの選択と予算配分
7. コミュニケーションの効果測定
8. コミュニケーションの評価
1「市場の理解とターゲットオーディエンスの明確化」ですべきことは、ターゲットに据えたオーディエンスが誰かということをハッキリさせることです。ターゲットが明確でなければ、効果的なコミュニケーションを成立させることはできません。
ターゲットにするオーディエンスについては、ざっくりいっても、既存顧客なのか新規なのか、既存であればどういった利用者なのか(たとえばヘビーかライトなど)、新規であれば対象とするプロダクトの認知度やイメージはどうなのか(どれくらい知っているのか、それとも聞いたこともないのかなど)、また、購入/利用についての意思決定権を持った人なのか或いはそうでないのかといったことが見えていなければなりません。もし見えづらいのであれば、そういった対象をイメージしておく必要があります。ビヘイビアルやサイコグラフィックに関係するものは、必ずおさえなければなりません。それ以外のジオグラフィックやデモグラフィックの基本的な変数(ブランディング (3)セグメンテーション ①主旨と要件)はいうまでもないでしょう。
仮に、その対象が、新規でプロダクトや企業に対して、よくない印象を持っているとすれば、それを払しょくさせなければなりません。ただ、前回のブログで述べたとおり、人は第一印象をなかなか拭いさるのは難しく、またいったん身についた固定観念を捨て去るのは容易ではありません(プロモーションその6(購買者の意思決定プロセス②)。このため、悪い印象を吹き飛ばして、一新させることができるような情報を、状況に応じて受信者に影響力のある人を選定しながら、継続的に発信することが必要です。
コミュニケーションのプロフィールは、はっきりとさせなければなりません。それはとりもなおさず、コミュニケーションの受信者に対して、自社及び自社プロダクトはどのような強みを持ち、どういった弱みを克服しなければならないのかを明らかにしなければならないからです。そのためプロダクトの特徴やメッセージがどれだけ理解されているのか、どのように顧客が受けとめているのかをまず把握することが前提になります。
次に、購買プロセスをおさえて、ターゲット顧客に対する最適なメッセージとメディアに関する理解を、深めることが必要になります。メッセージを効果的に伝達する手段をつきとめることです。そのため、上記4つの大きな変数(ジオグラフィック、デモグラフィック、サイコグラフィック、ビヘイビアル)のうち、ビヘイビアル/行動をしっかりおさえることが重要となります。
ビヘイビアル変数は、(上記の繰り返しになる部分はありますが)購買経験の有無など過去の購買状況、ヘビー・ライトなどの使用頻度、品質・サービス・プレステージ・経済性・利便性・迅速性などのベネフィットの捉え方、購買や返品に関するパターンや仕方等が含まれます。どういうタイプの人たちが、自社プロダクトを購入/利用しているのか、或いはしてもらいたいのか、何故それを購入/利用しているのかといった理由に加え、使用/利用方法とその頻度、場所などを調査する必要があります。
そして、当該プロダクトがおかれている現状がどういうもので、将来どれくらいの売上げ、利益、キャッシュを生み出せるのかを見極めます。これには、オーソドックスな手法にはなりますが、市場セグメントの魅力度とビジネスポジション(競争における差別化要因や優位性)で検討するのが、シンプルで分かり易いのではと思います(ブランディング (4)ターゲティング ②セグメントの評価iii、ブランディング (3)セグメンテーション ③法人市場)。
次のステップへ進む前に、マーケティング/ブランド担当者は、コミュニケーションの9つの要素である発信者と受信者、エンコーディングとデコーディング、メッセージと媒体、反応とフィードバック、ノイズについて再度確認しておいたほうがいいでしょう(ブランディング (7)マーケティングミックス⑤ プロモーションその4)。
次回は、コミュニケーション8つのステップの2つめにあたる「コミュニケーションの目的設定」から始めたいと思います。