2/13/2023

問題解決力 (2)問題とアプローチを考える ②問題を定義するii

前回の「問題解決力」ブログ(②問題を定義するi)では、問題定義の3つのCについて述べました。今回は、自分自身が所属する組織(または会社)の目線で、問題解決に向き合う時の組織のあり方・姿を考えます。

ここでは形式や建前、体裁や見た目などに捉われることなく、実際の姿、ありのままの本当の姿、組織の実態を考えます。形式と実態については、次のようなものとして捉えてください。たとえば、信賞必罰や実力主義を強く謳っている組織があるとします。ですが、実のところは、努力して成果を挙げた者も、何もしない者も同じように処遇しているとします。この場合は、信賞必罰や実力主義を唱えていることは形式(または建前)であり、やってもやらなくても同じというのが実態です。問題解決に対する組織の向き合い方を考える時は、このような実態ベースで検討、分析することが必要です。

おさえるべき項目は、次のようなものです。

  • 改善(または改革、変革などの)案に関する意思決定者と意思決定の仕方

  • 意思決定者のバイアス(相手/対象者が自分と同じ現実を見ているとは限りません)

  • ステークホルダーの特徴(意思決定とその後の案を実行する時に影響力を持つ人、社内のみならず社外、たとえば主だったサプライヤーや顧客なども対象にします)
  • 組織における暗黙のルールやタブー
  • 過去の取組みの結果

上記に関する問いには、以下のようなものが挙げられます。

    • 当該案の是非と実行時期を決める人は誰か(形式的な承認者ではなく、実質的に判断する人を指します。たとえば、それを部長が行う場合は部長が該当し、常務であれば常務になります)。

    • その人はどのように意思決定しているのか(たとえば独裁者的にものごとを決めたり、民主的に多数決で重要事項を決定するとか、或いは周囲の目を気にして判断したり/判断できなかったり、前例のないものについてはとりあえず判断を見送ったりするなど、意思決定の仕方、傾向や特徴を確認します)。

    • その意思決定者は、事実をどのように受け止めているか。

    • その意思決定者は、自分にとって都合のいいように理解したり、期待してはいないか。

    • その意思決定者の過去の経験が、判断の邪魔をしないか。

    • 案の是非判断に対して、影響力の大きいステークホルダーは誰か。

    • 同、協力をしてもらう必要のあるステークホルダーは誰か。

      • 案実行により、影響を強く受けるステークホルダーは誰か。

      • 案は、組織内の暗黙のルールに逆らうものか。

      • 過去の案(取組み)で、似通ったものはあるか。(あればその結果を、なければ何故なかったのかの理由も確認します)

    それぞれの問いに答える時は、「それは何故か」、「つまりどういうことか」など、もう1段階、2段階は掘り下げて考えていくことが重要です。問題を定義するという行為は、定義する人の問題に対する見方や解決方向などに対する考え方に、大きく依存します。同様に、意思決定する人の見方やものの考え方にも、影響を受けることになります。

    したがって、問題を解決する人の能力(スキル、知識、姿勢)が極めて重要ということがいえます(ここでいう問題を解決する人というのは、問題とアプローチを考え、問題を解き、結果をまとめて説得する人のことを指しています)。このようなことから、まずはじめに、問題を定義することが必要です。


              ブランディング (4)ターゲティング ②セグメントの評価i

              市場特性は、様々な要因に左右されます( ブランディング (4)ターゲティング ①セグメントの評価項目 )。 規模と成長率だけを考慮すればいいというわけでは決してありません。 大規模で右肩上がりに成長を続けるセグメントが有望であることは事実ですが、それ以外の要因が同じであることはめ...