2/06/2023

問題解決力 (2)問題とアプローチを考える ②問題を定義するi

問題を定義するにあたり、筆者は3つのCで考えることにしています。3つのCとは、Context(コンテキスト)、Criteria(クライテリア)、Constraint(コンストレイント)です。コンテキストは問題の文脈や状況・関係について、クライテリアは問題と考える基準(何をもって問題としているのか)を、コンストレイントは制約条件(インプットを制限したり、活動を制約しているものは何か)を表します。

ここで注意しなければならないことは、いきなりデータ収集には走らないことです。まずは、3つのCについて、仮説ベースで考えていきます。3つのCで活用できるフレームワークは、オーソドックスにいえば、次のようなものになります。

コンテキスト

  • 3C(顧客/Customer、競合他社/Competitor、自社/Company)
  • ビジネスシステム(企業内及び企業間におけるビジネスの仕組み)
  • 5F(バイヤーの交渉力、サプライヤーの交渉力、新規参入の脅威、代替品の脅威、業界の競争状況)

  • 7S(ストラテジー、ストラクチャー、システム、スキル、スタッフ、スタイル、シェアードバリュー)

代表的な問いには、次のようなものが挙げられるでしょう。
    • 顧客・競合に対して、当社はどういう状況にあるのか。
    • 当社の競争優位は何か。
    • 業界のチェンジドライバーは何か。
    • 現行組織にはどういったギャップがあるか。

    • 当社が直面している最大の問題は何か。

クライテリア

  • 業績(売上、利益、コスト・・・)
  • 整合性(ミッション/戦略/価値観等との調和やフィット感、その他イニシアチブとの一貫性など)
  • タイミング(イニシアチブの連続性、初期投資の期間、閾値など)

問いの幾つかには、以下のようなものがあります。

    • 当社の成功を測る物差しは何か。
    • 改善(または改革、変革などの)案は、当社のアイデンティティや今後の方向と、どれくらいフィットするか。
    • 改善(同)案が、成果をあげるまでの猶予期間は何週間(または何ヵ月間など)か。

    • 改善(同)案は、どういった基準で実行に移されるか(或いは、移されないのか)。

コンストレイント

  • 情報
  • 人材
  • 組織の単位

  • 事業の単位

たとえば、次のような問いがあります。
    • 必要なデータや情報は入手可能か。
    • 問題解決に必要な能力を、当該組織の人材は有しているか。
    • 例外扱いされたり、障害となるような組織はあるか。
    • 特例扱いされるような事業や製品/サービス、市場、或いは関係会社などは存在するか。

    • 案が実行に移される段階で、制約になるものには何があるか(或いは、最後まで残ることになる最大の制約は何か)。

3つのCを使って、次々と仮説ベースで問題を考えていきます。ひとつの問いに答えたら、その後すぐに、それは何故か、どうしてそういるのか、だから何なのか、といったことを自らに問いかけ、仮説を掘り下げていくことが重要です(問題の掘り下げについては、論理的思考(3) 問題を見つける②をご参照ください。また、問題とアプローチを考える」の「構造化」でも記載予定です)。

そして、次に、自身がとった範囲や立場を踏まえた上で、新たな問いかけをします。それは自身が所属する組織(または会社)の目線で、問題解決に向き合う組織の本当の姿を、確認するものです。これについては、次回の本ブログで述べたいと思います。


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