5/01/2022

論理的思考(3) 問題を見つける②

「問題を見つける」のなかの問題を構造化することについて、今回は簡潔に述べてみたいと思います。構造化はものごとを分かりやすくまとめたり、検討を深めるために分解したりして、対象を考察することに役立ち、MECEであればまさにそれは論理的であるといえます。構造化する行為をとおして、論点を整理し、自分の見解や会社の立場を明確にすることができます。

多数ある情報を読み取ることは難しいですが、同じ種類のものに集める=括ることで、理解しやすくなります。括ることは人間の習性ともいえるため、括る行為をとおして、考察・分析の軸を幾つか持つことができ、考えの世界を広げられます。

構造化には、①What(全体-部分)、②How(目的-手段)、③Why(結果-原因)の3種類があります。①のWhatの場合、たとえば商品は、既存商品と新商品に分けられます(What)。既存商品は、更に定番とスポットに分類でき、前者は年間と季節、後者はモチベーションとバーゲンに区分できます。このように分類することで、たとえば、どのタイプの商品を改廃、強化するのかといったことを検討しやすくできるでしょう。商品の場合であれば、比較的シンプルに捉えることができるように思えますが、これを顧客にすると、もう少し複雑なものになるでしょうから(たとえば、既存顧客を採算・不採算に分け、不採算を期間や理由などで分けるなど)、検討がより多面的にできるようになるはずです。

②のHowであれば、たとえば売上げを伸ばすためにはどうすればいいか(How)を考えます。顧客の数を増やすか、商品の単価を上げるのかなど。顧客数増大は、新規顧客の開拓、既存顧客の買上頻度向上、既存顧客の買上点数増加などと分解していく。

③のWhyでは、たとえば利益が伸びないのは何故か(Why)を検討します。それは売上が低下していることと、コストが増加していることに分けることができます。売上の低下は、単価の下落と量の減少で考えることができます。量の減少は、市場規模とマーケットシェアに、マーケットシェアはカバレッジと店舗内シェアに分けていくことができるでしょう。コストの増加は、変動費と固定費、さらにそれぞれを細分化していくことができます。

このようなことは、ロジックツリーで図示して、文章で書くだけでなく、見た目にもっと分かりやすくすることができるのは明白です。また、これらは基本的な例として取り上げましたが、こういったことをよりリアリティのある日々起こっている問題に置き換え、構造化し、構造化した後のステップとして、問題解決に向けたアプローチを考えていくことが重要です。なお、そこへ話を進めるのは、このブログが扱う範囲を超えますので、今回はこのあたりで終わりにしたいと思います。

今回のブログは、これまでの「論理的思考」ブログのの内容と、重複または少し前後するところがありますが、はじめに論理的思考の特性を概説し、その後、問題を見つけるステップとして、最初に問題を定義し、次に構造化というながれを確認するために、あえてこのようにしました。構造化は論理的思考の基本ですが、奥が深いといえます。対象を分解、括るといった行為を日々の仕事のなかで繰り返すことで、苦手意識を持たれている方はしばらくの間、悶々とする日々が続くかもしれませんが、いずれは必ず克服できます。また、すでにかなり出来ておられる方々にとっては、更にその力を高めていくことにつなげられるはずです。

たとえば、企業活動全体を、機能面などで分解したり、括ったりすることで、今まで見えなかったことが見えてくるようになり、大所高所から検討することで、部門横断型の問題解決につなげることが容易くなります。このことについては、いずれ事業の全体俯瞰として、述べてみたいと思います。


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