5/30/2022

新規事業創出 (3)アイデア①

筆者個人は、アイデアは属人的で、思いつき、突然、生まれるといったような考えに強く反論するものではありません。ただ、個人商店ならいざしらず、会社は組織ですから、アイデアはできる限り組織的に、体系的に、また、反復できるに越したことはありません。天才的なAさんが退社したから、後には何も残らない、アイデアの素の再利用もできないということでは、機会損失が甚だしいばかりか、早晩、そういった組織は危機的状況に陥るといっても差し支えないでしょう。

書店に行くと、アイデア関係の本がズラリと並んでいます。ご自身に合うものを選んで、そっくりそのまま真似てみるのは一案です。アイデア創出は、体系的で、再利用できること。ある程度の得手不得手はあると思いますが、できる限り多くの従業員がアイデアをだせるような手法を習得することが望ましいですし、また、アイデアを気兼ねなく出せる環境整備は重要だと思います。こんなことを言ったら笑われるとか、恥ずかしいなどということがないような環境を整備したいものです。

但し、アイデアをうまく創出していくことで、ひとつご留意頂きたいことがあります。それは、市場調査というか、部屋に閉じこもって頭で考えるだけでなく、時間を捻出して外を見てまわるということです。仕事帰りや出張や取引先との商談後などに、少し寄り道をしてみることです。

筆者が親しくさせて頂いている方(業界でも有名な100億円ブランドの生みの親)は、時間を見つけて、頻繁に、百貨店や専門店などを含めたストリートウォッチングを欠かさずされています。食品メーカーの研究開発担当常務執行役員のその方は、見て回るだけでなく、店員の方にいろいろ質問したり、勿論、商品を買って帰り、味や中身を確かめられています。筆者も経験がありますが、こういったことを何年、何十年も続けていると、ある時、大きな飛躍につながります。人によっては本人が気づかない場合もあるようですが、周囲にはわかります。それが、鋭い嗅覚や直感となって、他者の追随を許さなくなります。

より効果的なアイデア創出の仕方については、そういった方の行動特性を読み解き、概念化して真似るというのがよいのですが、経験的に言って、その特性を真似るというのはふつうの人にとっては非常に難しいことですので、次回のこのブログでは、筆者がポイントを絞って、できる限り簡潔に、手法を概説してみたいと思います。今回は少し短いですが、ここまでとさせて頂きます。


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