6/01/2022

新規事業創出 (3)アイデア②

アイデアを効果的に創出するうえで、非常に重要なことのひとつに、はじめの段階はロジカルシンキング(論理的思考)は使わないということです。ロジカルシンキングではなく、クリエイティブシンキングという思考法で用いることが重要です。

ロジカルシンキングでよく見かける言い回しは、次のようなものになります。

何故そうなのか、何故そういえるのか、だから何なのか、イシューは何か、正しいのはどれか、間違いはどれか、モレやダブリはないか、前提は何か、フレームワークに落とすとどうなるのか・・・

一方、クリエイティブシンキングでは、

それもいいね、ほかに何かある? それから連想されることは何だろう? どんなイメージかな? 正しくなくてもいいんだよ、 何でもありだよ、 枠なんか外して考えよう・・・

クリエイティブシンキングは、突拍子もないアイデアを歓迎したり、何事も否定せず固定概念にとらわれないといった、思考モードの切り替えが重要です。また、はじめは直接的な言葉だけで表現するのではなく、 絵を使ったり、比喩表現を用いたりするなどのイメージで考えることが必要です。また、アウトプットしていくという姿勢や理解や(インプット過多にならない)、思考の過程をアウトプットすることも重要です。アウトプットしながら思考を重ねていくというイメージです。ラテラル的思考を取り入れることも必要となるでしょう。

クリエイティブシンキングのツールとしては、ブレーンストーミング、SCAMPER、オズボーンのチェックリスト、アサンプションスマッシング、マインドマップ・・・、等があります。

誤解を恐れず、少し大胆に言えば、ロジカルシンキングは単純化(または概念化)やフレームワーク化、事実に基づき解を求めるのに対して、クリエイティブシンキングは感性や微妙なニュアンスを大切にし、勘に基づいて判断していくということになるのではと思います。

クリエイティブシンキングは、アイデア創出の初期段階で威力を発揮します。常識にとらわれず、枠にはめることなく、自由に発想していきます。とはいえ、創出の最後まで、クリエイティブシンキングでいくと、収まりがつかなくなる可能性があります。

それではどうすればいいかというと、クリエイティブシンキングとロジカルシンキングは相互に補完し合うものとして、両方を使うということです。ロジカルシンキングはアイデアを収束させるために、クリエイティブシンキングはアイデアを拡散させるために、という捉え方です。

アイデア創出をプロセスで考え、大きく3つのステップで構成するとした場合、はじめに「アイデアの創造」、次に「アイデアの絞り込み」、最後は「アイデアのスクリーニング」になります(実際は、3つのステップをそれぞれブレークダウンしていくことになります)。

2番目のアイデアの絞り込みで、ロジカルシンキングを使って、客観性、妥当性、論理的に、アイデアを絞り込むのが適切と筆者は考えます。但し、絞り込んだアイデアがその時点で幾つなのか、どの程度具体的なのか、モノにもよりますが、一般的に言えばひとつでないことが多いというか、望ましいため、後工程で、再度、クリエイティブシンキングで拡散させていくことが多いといえるでしょう。

アイデア創出プロセスについては、体系化して、組織として誰でも使えるようにしておくことが望ましく、そのためにはプロセスの要件は定義すると共に、”アイデアシート”は適度に標準化して、いつでも、どこでも再利用できるようにしておくことが良いといえます。一度、お蔵入りしたアイデアでも、また、陽の目を見る機会があるはずです。(なお、そのアイデアシートは、コンセプト開発の段階で、より具体化させていくのは言うまでもありません。)

プロセスの要件を構成する要素は、①活動(または手順的なもの)、②活動がもたらすアウトプット、③活動に必要なインプット、④用いる手法やツール、⑤プロセス実行に要する時間(リードタイム)や時期、⑥実行上の留意点、あと、そもそもの⑦プロセスの目的、となります。

体系化できれば、成果が上がるばかりでなく、圧倒的にスピード向上、生産性向上に直結します。ご質問がある場合、お気軽にお問い合わせください。info@truerisep.com


ブランディング (4)ターゲティング ②セグメントの評価i

市場特性は、様々な要因に左右されます( ブランディング (4)ターゲティング ①セグメントの評価項目 )。 規模と成長率だけを考慮すればいいというわけでは決してありません。 大規模で右肩上がりに成長を続けるセグメントが有望であることは事実ですが、それ以外の要因が同じであることはめ...