6/05/2022

新規事業創出 (3)アイデア③

前回の「イノベーションマネジメント」ブログで、アイデア創出の3番目のステップに、アイデアのスクリーニングがあるとしました。そこで今回は、このスクリーニングについて述べてみたいと思います。

新規事業に限らず、新製品/商品開発で、アイデアのスクリーニングは行われますが、筆者が担当したプロジェクトの多くで、次のような意見がミドルマネジメント含めた現場の方々からしばしば聞きました。役員の意見が一貫していない、よく変わる、いったん決定したことが後から覆る、判断の過程や基準がよく見えない、結果だけが通知される、決定が非常に独断的(または独善的)、等々。

こういったことは、現場と役員クラスの信頼関係はもとより、現場のモチベーション、ひいては組織全体における生産性の低下を招きます。ただ、なかには勝手気ままな役員もいらっしゃいますが、役員が意図せずして(または、よかれと思って)とった行動が悪くとられてしまったり、昔猛烈に働いた結果、今のブランドをその役員が築き上げた場合などは、現場の取組み姿勢が非常に物足りなく感じ、ついついしぼり上げていくといったことがあるなど、必ずしもどちらか一方が悪いとは言えません。

このようなケースにおいては、筆者が担当したプロジェクトでは、スクリーニングの内容や基準、検討の進め方などを透明化し、はじめに関係者に開示してもらうようにしました(より正しく記載すると、あるべきプロセスと評価内容を設計し、パイロットで実効性を検証、その後に定着をはかるということを行いました)。

たとえば、何を成功とし、何が失敗なのかといった基準を設けて、アイデア創造を本格的に行う前の謂わばプレ段階において、ものの見方や考え方を関係者で共有することにしました。共有の場を設定する際もちょっとした工夫が必要になる場合がありますが、少なくともこのような仕掛け・仕組みを設けることが、アイデアを短時間で効率よく生み出すことにつながります。

このケースが示すことは、対象を明確にする・絞り込むということです。スクリーニング段階で、ものの見方を共有しておくことが、漠然としたアイデア出し、まとまりがつかないブレーンストーミングに陥らずにすむことができるといえます。読者の方のなかに、スクリーニングで試行錯誤されていらっしゃるのであれば、一度、試されることをお薦めします。

最後に、
アイデア創出に長年携わってこられている方は、この先もっと知りたいと思われるでしょう。筆者には、20年来のコンサルタントとして実施したプロジェクトのナレッジがあります。具体的にアイデアを創出していくための手順はもとより、マネジメントにとっての評価手法等、方法論を保有しています。アイデア創出について、仕事をとおしていろいろな面で悩まれ、ご質問も多数あるかと思います。プロジェクトベース、或いは教育・研修ベースなど、ニーズに合せたサービス提供が可能ですので、お気軽に、info@truerisep.com までお問い合わせください。

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