5/28/2022

新規事業創出 (2)ビジョン②

前回のブログ(ビジョン①)に記載したことを中心に、できる限りコンパクトに、また、大括りで捉え直して、フレームワークとしてまとめると(このブログでは文章だけになります)、研究の場合であれば、次のようになります。

1. 市場のインサイト
2. 戦略的な意図
3. フォーカスするイノベーション
4. 研究のデザイン

1の市場のインサイトでは、①理解した外部環境の自社への意味合い②技術/製品トレンド、③顧客動向などに対する見解を記述します(対象範囲によっては、流通チャネルや競合他社なども含めます)。

2の戦略的な意図は、①企業や事業の戦略との整合性、②研究の戦略的方向(研究領域が対象でなければ、対象領域を挙げる。たとえば開発とか営業などの戦略的な方向)、③研究が目指すゴール、④研究活動で優先すべきことなどが含まれます。

3のフォーカスするイノベーションでは、新しいアイデアを事業化する上で、注力すべきイノベーション領域を明確にします。どういった技術なのか、原材料や部材なのか、または開発へ橋渡しするタイミングや頻度、スピードといったことなどになります。たとえば、技術開発と試作はどうイノベーティブなのかなど。

4の研究のデザインでは、自社の研究能力を踏まえた上での研究業務のデザインを描きます。研究活動の範囲、戦略的にコントロールすべきポイント、提供価値や機能、あと何より市場/顧客の選択になります。何の技術がどういったベネフィットを対象にもたらすのか。どのセグメントを、誰を、ターゲットにするのか。どうやって競合他社(の技術)と戦うのかなど。

1から4は相互に密接に関係しています。このため、シナリオは上記4つのいずれにも深く関係してきますが、特に1の市場のインサイトでは、市場はどのように動き、今後どのようになっていくかを、現状を踏まえて素描することが必要であり、これが他の3つの前提になるともいえます。

難しく考えれば、いくらでも難しいものにしていくことができますが(または、難しいものになってしまいますが)、重要なことは、まずは直接の関係者、担当者の方の手と頭で、範囲を決めて、将来の姿(自社に限るのではなく、対象産業や業界、市場や顧客といったこと全般)を、思い描いてみる、想像してみることです。その際、自身の思い込みだけでは当然NGのため、第三者の目や頭なども活用して、下支えする強固なエビデンスや仮説設定に充てる、冷静な判断ができるようにしていく。データ、ファクトを当てはめてみて考えることが重要です。


ブランディング (4)ターゲティング ②セグメントの評価i

市場特性は、様々な要因に左右されます( ブランディング (4)ターゲティング ①セグメントの評価項目 )。 規模と成長率だけを考慮すればいいというわけでは決してありません。 大規模で右肩上がりに成長を続けるセグメントが有望であることは事実ですが、それ以外の要因が同じであることはめ...