5/08/2022

新規事業創出 (1)イントロダクション

既存事業と異なる事業の内容や形態を総称して新規事業とする場合、マインドセットは既存事業のものとは異なります当事者(現場)は言うに及ばず、マネジメントもそうあるべきですが、実際はそうなっていないことが多いのではないでしょうか。(マインドセットとは、考え方の基盤、思考パターンや基本的な考え方などを指します。)

現場は、新しい知識や技術を絶えずブラッシュアップしなければならないことが多く、日々、試行錯誤の連続。既成概念やこれまでの成功体験は捨てるべきであっても、どうしても足かせとなり、従前の価値判断や意思決定を行ってしまいがち。

加えていえば、アイデア創出含めた新規事業創出全体のプロセス整備は必須ですが、巷にあるフレームワークをどれだけうまく活用したとしても、新規事業に携わるメンバーのマインドセットと強い意志が伴わないと、結果的にはうまく事業化できません。

殊更、対象に対する見方や考え方、意志が肝要です。大企業は言うに及ばず、中堅・中小規模の企業であっても、組織には相応の数にのぼる人が働いていますし、いつもあうんの呼吸、暗黙知的に擦り合せなどというわけにはいかないでしょう。

以上のようなことを踏まえ、新規事業を考えた場合、組織として何が最も重要になるかといえば、筆者はビジョンだと思っています。ここでいうビジョンとは、漠然とした思いや夢を語るものを指しているわけではありません。対象とする市場や顧客、技術や製品をどのように見るのか、今後どうなっていくのか、どうしていくことができるのかといったシナリオを内に含めたビジョンを指しています。新規に事業を考える際、シナリオやインサイトというのは必須です。そんなことは当たり前だと仰る方もおられるでしょうが、意外とこれが軽視されていたり、非常に自信無げ、または消極的な態度で向き合うことが少なくないと感じています。ストレートに言えば、当事者に自信がなかったり、覇気がないものに対して、誰が賛同、評価、または支持していけるのでしょうか。そのようなことをする人は、まず、皆無といって差し支えないはずです。

方針を一貫させるためにも、ビジョンは非常に重要で、依って立つところがなければ、チームを一枚岩にすることはおそらくできないでしょう。たとえ、一人で新規事業に関わっていたとしても、迷うこともあるはずで、そのような時に、あらためて自身の熱い思いや、狙いを思い返すことがあるはずです。

ビジョンは、関係者の思いや考えが前提になりますから、一見簡単なように見えて、実は最もやっかいなものかもしれません。これを、どううまくまとめあげていくか、シャンシャンシャンと予定調和的なものにするのではなく、(相応に)尖ったものにしていくべきかなど。次回の「イノベーションマネジメント」ブログでは、このビジョンについて述べてみたいと思います。


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