5/23/2022

脱炭素経営の取組み (4)Scope3③

CO2排出量算定の基本式、CO2排出量=活動量×排出原単位について、前回は活動量について記載しました。今回は、排出原単位にはなります。

スコープ3のカテゴリ1の排出原単位の算定は、およそ2つの方法に大別できると言っていいでしょう。ひとつは産業連関表をもとに算定する、もうひとつは積上げ法で行うというものです。

産業連関表は、積上げ法と比べて精度が低いとされています。というのも、複数の財やサービスをまとめた平均値になるからです。ですが、まずはざっくりと算定するためには、非常に有効です。但し、平均値であるが故に、各サプライヤー固有の数値を反映したものではないため、個々のサプライヤーに排出量削減努力を促したり、協力を仰ぐといったことは、具体的にはできません。また、自社サプライヤーの削減努力を、自社製品に反映させることもできません。

従って、排出量の具体的で且つ計画的な削減に向けては、各サプライヤーに確認していくことが必要となるため、現時点では、最終的に積上げ法を採用せざるをえなくなるというのが実情だと思います。

サプライチェーン全体で削減努力を行っていくというのが、スコープ3の主旨とはいえ、自社のサプライヤーがTier1,2,3・・・とネットワークの規模が大きい場合であれば(珍しくないと思います)、大変な労力、コストを伴うことになります。Tier1だけでも大変な作業になることが決して少なくないはずですから、自社製品のうち、いきなり全てを対象にするのではなく、主要製品、主要サプライヤー、主要原材料に、まずは絞るとことが必要です。

サプライヤーにデータを確認する際、製品単位で行うやり方がオーソドックスといえるでしょう。ですが、これでは膨大な負荷がかかることは明白なため、たとえば、企業(サプライヤー)単位で、算定することが考えられます。各サプライヤーのCO2排出量をはじめに把握し、次に、各社の自社に対する割合をおさえれば、その掛け算になります。納入額などで排出量を按分し、製品単位で行うよりはずっと簡易的に算定できるはずです。

最後は、算定した「排出原単位」と、前回のブログで記載した「活動量」を掛け合せて、「CO2排出量」が算定されることになります。


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