5/11/2022

脱炭素経営の取組み (3)Scope1②

エネルギーマネジメントシステム(EMS)が、以前より注目され、それは日増しに強くなっています。EMSは、人の手を介さず、効率的に、科学的に、エネルギー使用の最適化を実現する情報システムのことをいいます。この意味から、デマンドコントローラーや、デマンドレスポンス(DR)なども、EMSに含まれると理解しています。

デマンドコントローラーは、使用電力量が予め設定したデマンド値を超えそうになると警報を発信するなど、電力のピークカット(遮断)が主な機能です。デマンドレスポンスは、電力の需給バランスを需要家側で制御することをいい、供給量に需要量を合せる手法です。

EMSには、FEMS(Factory Energy Management System)、BEMS(BUilding Energy Management System)、HEMS(Home Energy Management System)というように機能を限定しているものと、全般に適用できるものがあります。産業用のCO2削減を大きく実現させるという観点からは、FEMS(フェムズ)またはFEMSの機能を有するEMSを如何にうまく活用するかが鍵となります

EMSへの期待が強まっている背景には、分散型電源の普及が大きく影響しています。分散型電源とは、需要場所に設置される比較的小規模な発電設備全般のことをいいます。再エネ利用の設備には、太陽光、風力、水力、バイオマス、地熱の各発電があります。ほかにも、蓄電池や電気自動車、さらには水素を利用した燃料電池などが挙げられます。

このような分散型電源は、需要家自身が電力供給に参画できると共に、需要家に近いところで発電できるため送電ロスが少なく、また、災害時の非常用電源としての利用も可能となることから、需要家による適切なエネルギー管理が必要となります。

EMSは、今後、AIやIoTといった技術を一段と取り込むことで進化を果たし、普及、浸透に拍車がかかるものと思われます。

自社敷地内で排出される温室効果ガスを対象とするスコープ1では、これまで述べてきた省エネ以外に自社のオペレーションを改革したり、商品やサービスを見直すことで、排出量を削減、またはなくしてしまうといったことが考えられます。これについては、スコープ1の枠に限定せず、枠をとりはらって考えることが必要であり、別の折に考えてみたいと思います。


ブランディング (4)ターゲティング ②セグメントの評価i

市場特性は、様々な要因に左右されます( ブランディング (4)ターゲティング ①セグメントの評価項目 )。 規模と成長率だけを考慮すればいいというわけでは決してありません。 大規模で右肩上がりに成長を続けるセグメントが有望であることは事実ですが、それ以外の要因が同じであることはめ...