5/21/2023

ツーリズム (2)プロダクトとしてのデスティネーション ①4つのP

デスティネーションは、以下にある4つのPで、プロダクト的に捉えることが効果的といえるでしょう。

  • フィジカルプロダクト(形のあるプロダクト)/Physical Product Elements
  • プログラム/Programs
  • パッケージ/Packages
  • ピープル/People

フィジカルプロダクトには、建築物、アトラクション、インフラ、交通網(または交通手段)が該当します。土地に建てられた建物である建築物には、寺院・神社、劇場・コンサートホール、遊技場、商業施設、宿泊施設など、多くのものが含まれます。

アトラクションは、遊園地等の乗り物や見世物などを指します。インフラには、電気、ガス、水道等の生活に不可欠なものに加え、道路、通信、病院、福祉施設、公園などを含めます。鉄道やバスといった交通機関については、ツーリズムでは非常に重要な要素であるため、インフラに含めず、交通網としてあえて分けるようにします。

これら多数あるフィジカルプロダクトですが、上記の建築物、アトラクション、インフラ、交通網それぞれに対して、当該観光地にとって特に重視すべき不可欠なものをコアプロダクトとして位置づけ、それ以外を補完的プロダクトとして、濃淡をつけて考察していくことが重要です。

プログラムとは、イベントやアクティビティなど、観光客のために催さされる出来事全般を表します。大規模イベントの代表格は、オリンピックや万博、ワールドカップのようなものが該当し、小規模なものでいえばウォーキングやマルシェなどになります。地域に古くから伝わる行事や祭りなどもここに含まれます。

パッケージは、主に旅行代理店やトラベルエージェントなどによって行われるものをいい、言葉のとおり、パッケージされたものを指します。無数といってもいいくらい多くのパッケージがあり、宿泊と移動手段を伴うものであれば所謂パッケージツアーということになります。

ピープルは、誰もが認めるとおり、観光業・デスティネーションにとって極めて重要な構成要素です。観光客とそれをもてなすスタッフとのインタラクションが、デスティネーション成功の鍵を握るといっていいかもしれません。観光業が全てサービス業に該当するわけではありませんが、多く(たとえばホテルや飲食など)がサービス業の一部を形成し、観光客に対してスタッフがサービスを直接、提供しなければならない場面が多数あることから、当該施設の印象や満足度などを左右するといっていいでしょう。なお、このピープルについては、別途、詳細に取りあげたいと思います。

無形のものや、形として捉えにくいものを考える時は、できるかぎりかたちにして考えてみることが効果的です。今回は、デスティネーションをプロダクトとして捉え、まずは4つのP(デスティネーション4P)で考えてみることについて述べました。次回の本ブログでは、デスティネーションを成功させるための着眼点について、触れてみたいと思います


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