7/17/2022

サーキュラーエコノミー事例②

大手企業によるサーキュラーエコノミー(CE、循環経済)の取組みには、どのようなものがあるのでしょうか。サーキュラーエコノミージャパン代表の中石さんの著書「サーキュラーエコノミー」によると、CE先進企業のひとつに、ナイキとアディダスが挙げられています。

ナイキのサステナブルシューズのスペースヒッピーは、20年6月に発売され、大きな反響を呼びました。同社では、工場の床などに落ちている糸くずなどの廃棄物を宇宙ゴミと呼び、これらを使って、シューズを作ったとのことです。米国本社のホームページを見ると、旧作がセール価格になっていましたが、引き続き開発に取組んでいるようです。

アディダスは、フューチャークラフト.ループという100%リサイクル可能なランニングシューズを19年4月に発表し、その後も新作を公開しています。開発・生産工程が非常に革新的とのこと。但し、実際に発売されたのか、同社のホームページなど見ましたが、古い情報しか見当たらず、ベータ版の後は、実際どうなったのかは分からず、また、何分ドイツのことですので(たとえば、ドイツ企業はマーケティングに秀でている)、よくは分からないというのが正直な感想です。それに、100%リサイクル可能というのは、大量の廃棄物を出しているランニングシューズなどでは、画期的といえますが、それでサーキュラーかというと、これまでの定義に従えば、違うことになります。

こういう点でいえば、上記ほどの巨大な企業ではありませんが、イタリアのトップブランドのひとつ、サルバトーレ・フェラガモ、1920年代に靴からビジネスを開始し、素材を無駄にしないで、突出した履き心地とデザイン性を実現させていることが創業当時からよく知られています。

皮革製品でいえば、フランスのルイ・ヴィトン。少し前までなら、日本人なら知らない人がいないくらい有名ですが、ヴィトンのバッグは強くて頑丈(創業の経緯からすれば当然のことですが)、また、世界各地に「クライアントケア&リペア アトリエ」を配置するなどして、永遠に使い続けることができるように考えらえています。ちなみに、ヴィトンは、20年までにライフライクルアセスメントを、製品カテゴリーの33%で実現させています。先駆的ともとれますが、ヴィトンにとっては当たり前のことのように思えますし、また、見方を変えれば、余計なものを使っていないと解釈することもでき、少しかたちをかえたものになるかもしれませが、サーキュラーエコノミーのビジネスモデルを確立していると言っていいのではないかと思います。


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