7/07/2022

サーキュラーエコノミーとは③

サーキュラーエコノミー(CE、循環経済)で、大きな力を持つエレンマッカーサー財団、2010年にエレンマッカーサー氏が英国を本拠地として設立し、CEへの移行を組織のビジョンとして掲げ、世界から注目されています。この財団が、CEで重要な3つの原則を挙げています。

廃棄物や汚染を出さずに設計する(Design out waste and pollution)

製品と資源を使い続ける(Keep products and materials in use)

自然のシステムを再生する(Regenerate natural systems) 

財団では、企業のCircularity(循環性)を評価するための枠組み(Circulytics)において、上記のいずれか1つ以上に該当し、且つ残りの2つに逆行しなこととしています。また、同財団は、バタフライ・ダイアグラムという概念を2019年に発表しています(The butterfly diagram: visualising the circular economy)。左右で2種類の循環を表し、見た目がバタフライ(蝶)の羽のように見えることから、この名が名付けられたとのことです。

こういった原則や思想が生まれてきた背景には、ゆりかごからゆりかごまで(Cradle to Cradle)という考え方が、ゆりかごから墓場まで(Cradle to Grave)と対比するかたちで、存在しています。

はじめから廃棄物や汚染を出さないで設計することは、これまでのエコの取組みや考え方とは一線を画すものだといえるでしょう。何故なら、これまでのもの(リニアエコノミー)は、廃棄物や汚染を出す、また出ることを前提としてきたからです。技術的な問題が大きく影響はしてきますが、はなから出さないことを前提に真正面から取組むとすると、技術の問題以上に、製品などの思想の問題になってきます。つまり、目指すゴールや、ビジョンが、両者の間では根本的な違いがあるといえます。

製品や資源を使い続けるという点では、まさにこれまでの消費が使い果たしたり、使い尽くして、後は廃棄するものとするのであれば、異なる考え方といえます。ただ、こういう言い方をすれば、少し問題があるかもしれませんが、米国に暮らした筆者の経験からすれば、ものを消費することに対する考え方や、実際の使い方、保管の仕方などは、相対的に、日米で大きな違いがあります。また、欧州でも、たとえばイギリスと、イタリアやフランスとではかなりの違いがあると思いますので、そのあたりのことを分かった上で、取組んだり、何より、対外的に発信していくことが必要だと思います。

3つめの再生・リジェネレイト(Regenerate)については、対象範囲をより広く捉えていく必要があるのだろうと思います。自然のシステムを再生するわけですから、ひとつの企業や団体だけでは自ずと取組みに限界があります。ひとつ以上の業界や、また、ひとつの地方などを対象にしていくことが、より適切なものになるのだろうと思います。


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市場特性は、様々な要因に左右されます( ブランディング (4)ターゲティング ①セグメントの評価項目 )。 規模と成長率だけを考慮すればいいというわけでは決してありません。 大規模で右肩上がりに成長を続けるセグメントが有望であることは事実ですが、それ以外の要因が同じであることはめ...