7/01/2022

サーキュラーエコノミーとは①

サーキュラーエコノミー(Circular Economy、略してCE)、日本語では循環経済と呼ばれています。サーキュラーだから循環となりますが、これを従来のリサイクルの延長線上的なものとして捉えるのは不十分で、誤りといっていいのでしょう。つまり、Reduce(排出抑制)、Reuse(再使用)、Recycle(再生利用)の3Rの取組みに留まるものではないのです。

従来の分野では、日本は世界のトップを走ってきました。しかも断トツだったのではないでしょうか。たとえば、ペットボトルでいえば、2019年には、日本のリサイクル率は85.9%(回収率93.1%)、米国は19.7%(同27.9%)、欧州は39.6%(同57.5%)と、その差は一目瞭然です(PETボトルリサイクル推進協議会の日米欧のリサイクル状況比較)。

ゲームのルールを変えることが巧みな欧米、というよりも、そもそも初めに彼らが多くのゲームとそのルールを制定し、その後そのルールを自分たちで変えていくといったほうが適切ではないかと思いますが、その欧米、特に欧州が仕掛けているこのCEに、どう向き合うかは、新規事業または新製品(商品)/サービスの開発を慎重に練る時のように、考察することが必要だと思います。

また、併せてグローバル市民を標榜する必要があるのであれば、消費者としての行動様式も変えていくことが求められるのだろうと思います。世はグローバル時代、いくら日本と日本人(の多く)は常日頃から、ものを大切にし、過度な大量消費・大量生産はしてこなかったと言っても、海外の一企業や個人単位では認められても、グローバルな競争社会では受け入れられることは難しいと思います。相対的に言って、ただでさえ、アピールがうまくない日本企業と日本人が生息するガラパゴス島での振る舞いなど、誰も理解しないでしょう(正確にいえば、腹の中で分かっていたとしても、口ではそう言わない。またはその逆もあり)。それが、海外で暮らした経験のある筆者が感じることで、表と裏があることに留意する必要があります。

ここで、敢えて言いたいことがあります。それは、日本こそ、サーキュラーな社会だったということです。何故、日本が3Rなどに取組んできたかというと、それは元々サーキュラーだったものが、産業の近代化や国際化と共に、本来、循環させていたのを続けていくことが難しくなった。その結果として(または、過程において)、3Rのような活動へとつながっていったと筆者は想像しています。つまり、3Rの前の姿にこそ、我々が考えるべき本来のサーキュラーがあるのであって、そこに着目し、関係者や、世界へ発信していく必要があると思っています。これについては、今後、本ブログで具体的な例を提示しながら、述べていきたいと考えています。

しばらく前より、ブログが少々長いというご意見を頂いています。トピックや構成にもよりますが、次回からはもう少し短くしていきたいと思っています。今回は区切りもよいため、これで終わります


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市場特性は、様々な要因に左右されます( ブランディング (4)ターゲティング ①セグメントの評価項目 )。 規模と成長率だけを考慮すればいいというわけでは決してありません。 大規模で右肩上がりに成長を続けるセグメントが有望であることは事実ですが、それ以外の要因が同じであることはめ...