「モノ」から「コト」へと言われて久しいですが、最近は「イミ」消費の時代と言われているようで、イミは広義のコト消費の一部と捉えてよいのだろうと思います。余談ですが、筆者が旧セゾングループの西武百貨店に入社して間もない頃、すでにモノからコトへ、と社内では言われていました。80年代の半ばで、すでにコトを考えていたのですから、今から思えばちょっとした驚きですし、その一方で、消費者の気持ちという点においては、時代はあまり変わっていないのかなとも思ってしまいます。
イミ消費は、東日本大震災以降に現れてきた価値観といえるでしょう。大震災当時は、消費者の価値観が変わる、消費のスタイルや行動が変わると、多くメディアが取り上げていましたし、実際、筆者もそういった主旨の記事を寄稿したことがあります。
そういった点で、イミ消費は、グローバルな経済社会、SDGsやサステナビリティ、気候変動リスクと環境配慮や保護、更には新型コロナウィルスなどにみられるパンデミックなどが要因となって、その意味をより鮮明にしてきたのではないかと想像するのが自然だろうと思います。
そのイミ消費ですが、当初は、ある商品やサービスを消費することによって生まれる社会貢献的な側面を重視した消費スタイルとされていたようですが、今日では、商品/サービスを提供する企業の価値観や哲学、世界観といったものに、共感できるか否か、強く共感できれば、その商品/サービスを購入したり、利用するといったものに変わってきていると捉えるのが、より適切だろうと思います。
となると、このブログの観点からいえば、何のために循環させるのか、また、脱炭素するのか、何を目指して行うのかといったパーパスが非常に重要になるといえます。マーケティングの言葉に、プロダクトアウトやマーケットインというのがありますが、これがまさにパーパスを媒介にして、アウトとインがつながるというイメージになるといって差し支えないでしょう。
企業や特定の団体などが、特定の人々(ここでは、やはり消費者ということにします)と共に、商品やサービスといったプロダクトやブランドを創り上げたり、育んだりする、また、時にはその消費者にエンパワーメントするといったことが、重要なポイントになります。
サーキュラーエコノミー(Circular Economy/CE、循環経済)については、このような観点で考えると、分かりやすく、また、解を導出しやすいのではと思います。