7/24/2022

サーキュラーエコノミー事例③

サーキュラーエコノミー事例1にあるようなマッドジーンズなどのサブスクリプションモデル、PaaS(Product as a Service)は、サーキュラーエコノミーのビジネスモデルを考えるうえで外せません。

もはや古典的事例になった感さえあるミシュランタイヤの走行距離に応じて、代金を支払う従量課金型の販売。これは元々、モノのサービス化サービスのデジタル化の事例として、よく取り上げられました。かくいう筆者も、「やり方を変える」から「やることを変える」の事例として、ジェットエンジン製造のGEが、予防保全や運航計画最適化の分野へ参入したケースと併せて、以前にご紹介していたものです。

このようなPaaSは、スウェーデンのエレクトロラックスの掃除機を売るのではなく、掃除した面積に課金するサービス。オランダのフィリップス/シグニファイの照明器具を売るのではなく、明るさを売るサービス。レンタルファッションの先駆け的存在、米国のレント・ザ・ランウェイ。ブルームバーグによると約340万人の利用者がいるステランティスの欧州でのカーシェア事業のシェア・ナウなど、様々なものがあります。

(ストランティスは、フランスのグループPSA、イタリアのフィアット、米国のクライスラーによる多国籍自動車メーカー。同社は、ダイムラーベンツとBMWの合弁事業だったシェア・ナウを買収)

レンタルファッションやカーシェアなどは、日本にも幾つかありますが、事業の開始年や、規模の大きさなどの点において、(サービスの良し悪しや必要性の有無などは別にして)欧米のほうが、日本よりはるかに進んでいるといえます。

購入するから借りるへ、モノを消費するからサービスを利用するへ。サーキュラーエコノミーのバリューチェーン(或いはバリューループ、もしくはサプライチェーン)における「利用」では、多くの事例を見ることができます。

ただ、大企業や、当該市場におけるリーダー的存在の企業にとっては、顧客との関係性、構築したビジネスモデル、保有する(または、今後取得しなければならない)データ特性などによって、参入を躊躇することが考えられるため、この点において、スタートアップには、まだまだチャンスがあるといえるでしょう。同じことは、「利用」以外のCEバリューチェーン、たとえば、デザイン、マーケティング、営業、製造、リサイクルといった機能においては、尚更のことだと思います。


ブランディング (4)ターゲティング ②セグメントの評価i

市場特性は、様々な要因に左右されます( ブランディング (4)ターゲティング ①セグメントの評価項目 )。 規模と成長率だけを考慮すればいいというわけでは決してありません。 大規模で右肩上がりに成長を続けるセグメントが有望であることは事実ですが、それ以外の要因が同じであることはめ...