7/11/2022

新規事業創出 (5)意思決定

的確に意思決定するためには、必要な情報が何かをおさえておくことが必要です。それでは、必要な情報が何かということを、どのようにすればわかるのでしょうか。膨大な時間と手間をかけて、とてつもない量の情報を入手したとしても、それを読み解くことに、また新たな膨大な時間がかかることにもなり、まったく意味を成しません。

的確な意思決定を行うために、必要不可欠な情報要件を掴んでおくことが重要ですが、このためにはどうすればいいか。最小限の情報で、最大限の効果を得られるように、時間は有限、非常に貴重です。タイムベース競争などといわれたのは、確か1990年前後あたり、それから40年近く経った今なら尚更です。

筆者は時折、端的に答えを求めたりすることがあります。当社の新規事業は、競争相手には勝てますか? それはどこですか? そこと同じ製品のカテゴリーで勝てますか? それは何故ですか? 技術ではどうですか? 営業ならどうなりますか? もし勝てなければどうするのですか? 或いは、潜在的な競争相手は誰ですか? 予め手を組んでおくことはできますか?、等々。

できる限り簡潔に回答が得られるように、また、可能な限り論理的に分解して順を追って掘り下げていくことが効果的だろうと思います。シンプルな問いに対して、必要な情報だけを収集していく。余計な情報探索や解釈を取り除くことができるはずです。

今日、情報の多くは誰にも入手可能なものになっています。にせの情報が多いのも事実ですが、スナップショット的に見るのでなく、時系列的におさえておくことで、何が本当か、隠されている事実は何か、変化の兆候はといったことに当りをつけることができやすくなります。現在、多くのことに対して、限定的な範囲での専門的な知識や見解よりも、全体を俯瞰して総合的に検討・判断できる力のほうが、優るのではないでしょうか(当然のことながら、専門知識が不要と言っているのではありません。特定分野における一定の専門知識を持ち、且つ総合的に判断できる力が必要という意味になります。一般的なゼネラルマネジメントを称賛しているのでは決してありません)。組織力の秘訣は、こういったところにあるのではと思っています。一見して見えず、わかりづらいもの、だからすぐに模倣されることもなく、熾烈な競争にも勝ち抜けるのではないでしょうか。


ブランディング (4)ターゲティング ②セグメントの評価i

市場特性は、様々な要因に左右されます( ブランディング (4)ターゲティング ①セグメントの評価項目 )。 規模と成長率だけを考慮すればいいというわけでは決してありません。 大規模で右肩上がりに成長を続けるセグメントが有望であることは事実ですが、それ以外の要因が同じであることはめ...