3/09/2022

今、何をすべきか (2)有望な事業の売上を最大化させる。デジタルマーケティング①

デジタルマーケティング(以下「DMK」と略します)は、よく分かるようで分からない。そうおっしゃる方が、少なからずいらっしゃるのではないでしょうか。

DMKは今日、マーケティングの非常に重要な構成要素となっていますが、何故、分かりづらいのでしょうか。思いますに、ひとつには、テクノロジーの進化と共に(または、それ故)、テクニックが先行し過ぎてしまい、当事者以外には分かりにくく、とっつきにくいものになってしまっていることが挙げられると思います。

ふたつめに、そのテクニックと表裏一体となるべきマーケティングとしての理論や概論が、少なくとも国内では、一般的には体系化されず(或いは、体系立てる時間がないのかもしれません)、モノは売れ続け、マーケティングマインドを持たない(または重視する必要がない)一部の事業者がDMKサービスを間断なく提供する。このため、この間に、利用者のスイッチングコストはどんどん高くなり、お手上げ状態になっていく(⇒丸投げ的な状態になり、それが続いていく)、というようなことが挙げられるのではないかと思います。

そこで、このブログでは、このDMKについて、少し整理をし、読者の方々の中でお一人でも多くの人が「じゃあ一度、(本格的に)やってみようか」と思って頂ければ幸いですし、またそのように願っています。

DMKを構成する要素(ハイレベル)は、以下のとおりです。

1. 3つのデジタルメディア(DMKの実行手段であるオウンドメディア、ペイドメディア、アーンドメディア)

2. ターゲット顧客の購買要件とプロセス

3. ターゲット顧客(消費者または事業者)(ここでいう「顧客」は、既存/新規、潜在、見込み等の顧客全般を指します)

4. マーケティング戦略

5. 組織(または事業/企業)の目的とゴール

DMKといえば、ついつい1のトリプルメディアばかりに目がいきがちですが、2から5までの要素が前提としてあってこそ、1が的確に機能します。したがって、取り組む順序としては、5から始まり4へ、その後3から2を検討し、1へと進むことになります。いきなり、1、2、3が混然一体となってしまうと、わかりづらくなり、余計な時間やお金をかけてしまうことになりがちです。アジャイルで1から、というのもありだとは思いますが、早晩、見直しを迫られることになるか、機能不全的な状態になるように思います。

ところで、ここで1点、是非、今回のブログで強調しておきたいことがあります。それは、4は5があってはじめて成立するということです。時々、4から5へと検討の過程が進められたり、また、一部のビジネス書には、戦略があって、ゴールが来るなどと記載しているものもあるようですが、これは間違いです。戦略とは、マーケティングに限らず、営業であろうと、事業や企業全体の戦略であろうと、ゴールを達成するための打ち手が戦略です。より正確にいえば、戦略とはゴールを達成するために、競争優位を発揮できるものを整合的に束ねた打ち手のまとまりのことを指します。ですので、この点を誤って理解していると、本末転倒な施策がでてきたり、単なる辻褄合わせの言葉の羅列になったりします。

紙数を少し超えてしまいました。次回のブログでは、1のデジタルメディアのうち、オウンドメディアについて考えてみたいと思います。


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