何故、支出が多くなるのでしょうか。
単価が高くなる理由に、毎回同じものを習慣的に見直すことなく発注しているというのがあります。ほかにも、代替品や代替サプライヤーを知らないとか、調べないというのもあります。発注者のコスト意識が希薄というか、殆どないというのは明白ですが、意外とサプライヤーとどのようにコミュニケーションしたらいいのか、何を話せばいいのか分からないという人が結構います。これらは、全て調達/購買に直接関係する問題(または事象)です。
直接材であれば、所謂、開発購買に関係する問題、該当する原材料の特性を理解していないか理解しようとしないために、値段が上がるというのがあります。調達/購買担当者によっては、思いきって開発領域に踏み込んでいく人もいらっしゃいますが、そういう方は非常に稀だと思います。
調達/購買を除くサプライチェーンに関係する問題として、需要予測の精度が甘かったり、在庫管理の仕方に問題があるなどして、必要以上に、完成品や仕掛品、または原材料を持つ、または足りなくなるというケースがあります。
調達/購買における直接材の仕事は、ことさら開発や製造との結節点として重要な役割を担っており、最終製品価格や営業利益に大きな影響を与えるにも関わらず、意外と軽視されているのは不思議なことです。
間接材も同様です。間接コストを配賦するわけですから、支出額の大きい電力やガスなどは勿論のこと、工場で使用する各種備品も、価格の適正さについて再確認が必要です。
同じ間接材であるコピー用紙などに見られる事務用品については、総務部門が関係する場合が多いでしょうが、規格の見直し含め、あらためての確認が必要でしょう。たとえば、電子カタログで発注できているから便利、それでよしとしていて本当にいいのかどうか。企業によっては、利便性を最優先させている状況では、もはやなくなってきているのが明らかなところもあるはずです。
最後に、先日、某中堅製造業の社長が、もっとコスト削減できないのかと役員に問うたら、担当常務は一言も発しませんでした。後で尋ねたら、自分はサラリーマンだから、聞かれてもそんなことは言えないとのこと。自分が何も考えていない、知らなかったのがバレるのが怖かったのかもしれませんが、後でバレるほうがよほど、問題になると思います。上司は知っていて、見て見ぬふりをしている、試しているということは少なくなく、こういったことは現場のみならず、役員クラスでも同じことだといえるでしょう。