4/21/2022

脱炭素経営の取組み (2)Scope2⑤

スコープ2におけるCO2排出量を削減する4つの方法のうち、どれに最も注力するのが効果的か、またはどれから始めるのがより適切なのか。企業の規模や業種の特性などにもよるため一概には言えませんが、現在の市況感や政治・経済・社会・技術などの動きを踏まえ、ゴールに向けた時間の長さと難しさなどを考慮すれば、筆者は3と4の組合せが、まずは早期に結果を示すことができ、且つ産業界や社会に強くアピールできる点で、良いのではないかと思います。

3の自家消費型太陽光に関しては、オンサイトPPAオフサイトフィジカルPPAを用います。契約期間の長さがネックになりうることについては、PPA事業者等との交渉で、電力需要家にとってのリスクを軽減するか、相応のメリットが得られるようすべきでしょうし、また、交渉の仕方次第で可能になるのではと思います。

とはいえ、3と4を選択するには、スピード感を伴った経営トップの判断・決断が何より重要になりますので、どこの企業でもできるわけではないだろうと思います。そこで、ボトムアップ的(或いは、ミドルアップ&ダウン的)にすすめる際、スコープ1を意識しながら、2でも効果を確実に得られるようにするための方法として、以下のようなやり方があります。

(排出量算定ツールを用いた可視化については、別途、記載する予定です。)

まず、電力調達の活動を一覧化します。一覧化の仕方は、電力調達に関係する業務の機能やプロセス、またはタスクを、できる限りレベル感(または粒度)を揃えて一表にします(弊社では、これをビジネスファンクションマップ/BFM、または俯瞰マップと呼んで、脱炭素に限らず、ビジネスの様々な場面で活用しています。なお、脱炭素経営の取組みでは、このマップを、カーボンニュートラルマップ/CNマップと呼んでいます)。

これについて、詳しく記載していくのは、このブログの範囲をこえていますので割愛しますが、CNマップを作る手順はざっくり書くと、次の3つのステップで構成します。

1.CNマップ作成の対象範囲を決める。

2.業務のながれに沿って機能(またはプロセス、タスク)を並べる。

3.並べた機能を一段階、ブレークダウンして、各機能の下に配置(記載)する。

1では、範囲を決める作業になりますが、ここで注意したいのは、いきなり全てを網羅しようとしないということです。また、ここでのCNマップは主にスコープ2を扱うため、スコープ2を起点にしていきます。たとえば、電力調達の方針策定、計画策定、商談・交渉、モニタリング&検証・・・、といった具合です。

2では、カーボンニュートラルに関係する業務の機能か、プロセス、またはタスクを抽出します。この際、あまり機能の細部には拘泥せず、ざっくり洗い出すことがポイントです。厳密に言えば、レベル1(最も粗い粒度)で括ります。「論理的思考」ブログをお読みになられている方なら、想像いただけると思いますが、レベル1の機能は、左から右へ順に、およそ同じレベル感(粒度)で記載していき、それらがだいたい業務のながれに沿うようにしておくことで、関係者の理解を助けるようにしておくことが重要です。なお、レベルの異なるものが混在していたり、重複、または欠落しないように注意してください。

3では、上記2で行ったレベル1のながれを、もう一段掘り下げます。各レベル1に対して、レベル2のものを、上から順に列挙し記載していきます。

今回の「脱炭素経営の取組み」ブログはここまでとし、続きは次回へまわしたいと思います。もし、イメージが湧きにくいということでしたら、info@truerisep.comまで、お問合せください。

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