4/07/2022

管理職4つの壁(2) 理解の壁③

理解の壁は、一見、容易に見えることが多いかもしれませんが、実は、ここが一番難しいと筆者は思っています。そればかりか、最近は、ますます難しくなっていると強く感じています。少し聞いてわからなければそれ以上理解しようとしない人とか、理解がまったくできない人ばかりか、理解をはじめから完全に放棄している人、こういった人たちがかなり増えていると思いますが、読者の皆さんはどのようにお感じでしょうか?

問題は、まったく違うところにあることは少なくありません。以前のブログにも書きましたが、筆者の本来の専門領域である新商品開発活動などはまさにそうですし、比較的知られているところでは、サプライチェーンにおける在庫管理などがあります。


閑話休題:直近5年から7~8年ほどくらいの間に、また、別の問題が上がってきたと感じています。それは、誰もが問題を正しく認識しているにも関わらず(全員です)、また、その問題解決はさして難しくないにも関わらず(まったく簡単なことです)、誰もその問題に取り組もうとしないことです。たとえ、上司から言われても、なんだかんだ言って取り組まないか、取り組んでいるように見せたりする。または、上司は見て見ぬふりをしている。10年か、或いはもう少し前くらいまでは、何が問題か、それを見つけるのが難しく、見つけたら、解決したも同じというようなことが、よく言われていました。今は、残念ながら、そうではないケースが増えていると筆者は思います。


管理職4つの壁における理解の壁では、問題を正しく理解するという、謂わば理性が重要です。とかく、感情に走りがちな今は、思い込みや勘違い、思考の停止や、責任回避が当たり前のようになってしまい(元々、人は自分が信じたいもの、見たいものだけを見る傾向が強いですが)、これには、問題を見つける行為の前段に位置づけられる、問題の定義をいかにするかが極めて重要で、これがほぼ全てといっても差し支えないかもしれません。

問題を定義した後は、問題を構造化することが必要で、多様な問題の場合には欠かせません。ハイレベルで(粗いレベルで、ざっくりと)、定義した問題を深堀していき、本質的な問題、根本的な原因を突き止めます。なお、これについては、「論理的思考」ブログで、述べていきたいと思います。

理解の壁①で、3つのタイプ、タイプAは思い込みや勘違いの場合、タイプBは思考の停止、タイプCは責任の回避、と述べました。タイプAには、フレームワークを用いて対象を可視化するなど、検討の枠組みを明確にして、それに対する思考を促します。

タイプBの場合は、ロジックツリーやイシューツリーなどを用いて、絶えず仮説や前提をおいて思考するように持っていく。はじめからすぐにできることはなく、精度が低かったり、まったく間違えていたりしますが、管理職やリーダーの立場にある人が、根気よく続けていけば、部下や周囲は徐々に、できるようになり、思考停止が少しずつなくなり(思考し始め)、最後はほぼなくなるでしょう。

タイプCでは、やはり対象の全体を俯瞰することが非常に効果的です。これは、タイプAにもよく効きます。ほかには、ビジョンを作ったり、継続的なリーダーシップ教育なども有用です。あと、日本で何処まで実効できるかは微妙なところですが、職務要件の定義と評価制度の見直しが挙げられます。ジョブ制度、職務給といった制度は、個人的には非常に意味があると思っています。


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