9/17/2022

サーキュラーなアプローチ②

前回の本ブログでは、サーキュラーエコノミーのビジネスモデルは、6つに分類できると述べました(サーキュラーなアプローチ①)。

顧客関係性のあり方に直接影響を与える「モノのサービス化」及び「消費や利用の共同化」と、それ以外の4つのモデル(「原材料の改変」、「資源の再利用」、「デザインによる廃棄物ゼロ」、「商品ライフサイクルの拡張」)では、「型」構築に費やす時間や、おさえるべきポイントが異なるところはありますが、全体アプローチは次のように同じものとなり、3つのフェーズで捉えることが分かりやすいでしょう。

1. サーキュラービジネス機会の評価
2. サーキュラー戦略の策定
3. サーキュラー化の実行

3つのフェーズのうち、最初の1「サーキュラービジネス機会の評価」が、型を検討する上で非常に重要です。このフェーズは、基本的に、以下のような3つのステップで考えるのが適切です。

(1)ビジネス機会の定義
(2)フォーカスエリアの抽出
(3)フォーカスエリアの精査と特定

上記3つのステップは、次のようなタスクの幾つかの組合せ(または全て、順不同)で構成されます。

  • 外部環境を分析し、事例を作ってみる。
  • 事例を分類し、気づきをまとめる。
  • 組織横断型のチームを編成する。
  • 多様なビジネス機会を一覧化し優先順位付けする。
  • 有効なビジネス機会を評価する。
  • ビジョンを描く。
  • 市場/事業規模を算出する。

  • 競争に必要となる能力(リソースケイパビリティ)を考察する。
  • 必要なテクノロジーを検討する。
  • 有効なビジネス機会を評価する。
  • ビジネスケースを作成する。
  • ターゲットモデルを選定する。
  • 事業活動全体を俯瞰して判断する。 
  • 自社の変革許容度を評価する。
  • 短長期のロードマップ素案を立案する(必要に応じて、資金、協業先、ガバナンス等も考慮する)。
  • サーキュラーエコノミーのフレームワークを設計する。

    自社が目指すところやゴールをはじめ、当該組織の文化やサーキュラーに対する成熟度などによって、評価の仕方はひとつだけではないことには留意が必要です。また、A社にとっては必要なタスクであったとしても、B社ではそうとは限りません。

    上記タスク実施に費やす時間は、範囲や体制などにもよります。理想は1ヵ月以内に終えることですが、少々タイトな感がありますので、3ヵ月を目途にいったん終わらせるのが望ましいといえるでしょう。評価の中身は勿論重要ですが、初期的段階では、精度より、スピードを重視すべきです。サーキュラーエコノミーの分野は、自社を取巻く環境変化は絶えず起こっていることには注意が必要です。


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