3/24/2026

ブランディング (7)マーケティングミックス⑤ プロモーションその11

前回は、コミュニケーションを効果的に行うための8つのステップの6番目コミュニケーションミックスの選択と予算配分」における「選択」について述べました。今回は、「予算配分」についてです。


6.「コミュニケーションミックスの選択と予算配分」(続き)

コミュニケーションミックスの予算配分は、次のaからeの要素によって決定されます。

a) 企業の目的

b)ターゲット市場の特性

c)プロダクトのタイプ

d)消費者の購買段階

e)プッシュ戦略とプル戦略


a)企業の目的: プロダクト市場での知名度向上を企図するのであればPRか広告を、多くの人に試用してもらいたいのであればプロモーションを、というように企業の目的によって、選択するコミュニケーション手段は変わります。

企業の市場ポジションも、目的設定を検討する上で重要な要素になります。リーダーとチャレンジャーやニッチャーでは、目的自体が異なるものになるはずです。あと、当然のことながら、企業に十分な資金があれば、マス広告は選択できますが、そうでなければ費用が少なくて済むPRをうまく使うことになるでしょう。


b)ターゲット市場の特性: ターゲット市場における見込み客の数が少なかったり、プロダクトの説明に十分な時間をかけるほうが実売につながる確度が高まるのであれば、訪問販売などによる人的販売が効果的です。数が多ければ、PRや広告のほうが適切でしょう。


c)プロダクトのタイプ: プロダクトが高額であったり、購入検討にあたり専門的な知識が求められる場合は、通常、人的販売のほうがより適しています。一方、日常で使用するバストイレタリー製品や、何処の家庭にでもある一般的な食品調味料などであれば、プロモーションや広告に注力するのが妥当でしょう。

プロダクトのライフサイクルも重要です。プロダクトがライフサイクルのどの段階にあるかで、コミュニケーション手段の効果が異なってきます。プロダクトの導入期であれば、全てのコミュニケーション手段が重要なものとなり、それらを効果的に組み合わせることが必要です。なかでも、広告とPRは、プロダクトの認知度向上に特に重要な役割を果たします。

成長期には、消費財製品などであれば、小売店頭での人的販売で試用機会を拡張させたり、口コミを活用するなどして需要をさらに広げていくことになります。この段階では、プロダクトの売上げが伸びていくために、小売流通企業に対する協力金などインセンティブの必要性は減少します。成熟期では、広告によるブランド力の維持に努めたり、イベントやSP、人的販売をとおして市場への浸透をはかります。衰退期では、SPは引き続き重要な手段として残りますが、それ以外は縮小または中止していくのが一般的です。


d)消費者の購買段階: コトラーとケラーは、プロダクトの認知段階では広告とPRが最も重要な役割を果たし、消費者の理解を求める段階では広告と人的販売が、消費者が確信する段階では人的販売が威力を発揮すると述べています。また、最終的に販売(リピート購入含む)を成立させるのは、主として人的販売とSPだとしています。


e)プッシュ戦略とプル戦略: プッシュ戦略とは、小売卸売企業への販促資金投下などのプロモーションを行うなど、流通チャネルをとおしてプロダクトをプッシュしていくやり方です。プル戦略とは、消費者の需要を喚起するために、広告やイベント、消費者向けのプロモーションを行い、流通チャネルをとおしてプロダクトをプルするやり方です。このプルというのは、消費者の需要が流通シャネルをとおしてプロダクトを引く或いは引きつける(プル)ためです。

多くの企業が、プッシュとプルの両方を用いますが、消費財の小事事業者はプル戦略のほうを多用しているように思われます。国内では、小売企業に対して販促資金などをそれほど提供しなくても、プル戦略によって、新商品のユニークなベネフィットをうまく訴求できれば、少なくとも一度は取扱いの機会を得られる可能性が高くなるからです。


コミュニケーション投資を効果的なものにするためには、コミュニケーションミックスの多様な要素を、共通の目的のもとに統合しなければなりません。このためには、マーケティング・コミュニケーションの予算を一本化し、コミュニケーション投資に責任を持つマネージャーを配置することが必要です。コミュニケーションチームを編成し、戦略策定と実行の方法を検討します。そして全社的な目標を基準にして、コミュニケーション戦略の結果を上席のディレクターが評価します。かつて最強と謳われた世界有数の広告主であったP&Gが、行っていたことのひとつがこのやり方でした。

次回は、7つめのステップ「コミュニケーションの効果測定」についてです。


3/16/2026

ブランディング (7)マーケティングミックス⑤ プロモーションその10

今回は、コミュニケーション開発を効果的に行うための8つのステップの5番目と6番目についてです。4番目までのステップについては、以下をご覧ください。1市場の理解とターゲットオーディエンスの明確化、2コミュニケーション目的の設定、3コミュニケーションの設計、4コミュニケーション・チャネルの選択


5「コミュニケーション予算の決定

マーケティング・コミュニケーションの予算は、業界によって、企業によってまちまちですが、多くは売上高の1%から20%くらいを占めています。ただ、化粧品業界の場合、国内企業であれば売上げの15-20%くらいを占めている一方で、海外企業では30-50%にもなるとのことで、業界特性があるとはいえ、その大きさには驚かされます。

コミュニケーション予算の決め方は、前年度の予算を一定割合で増額する増額予算法、現在の売上げまたは予測売上げに対して一定割合をコミュニケーションにあてる売上高比率法、競合他社の支出割合に合わせる競争者対抗法などがあります。

これら3つの手法は、コミュニケーション支出が売上げやキャッシュにどのような影響を及ぼすかということは考慮していません。とはいえ、キャッシュフローベースで予算編成を行うやり方では、キャッシュの確保を重視しがちになるために、積極的なコミュニケーション投資が抑制され、機会損失を招く可能性が高まったり、そもそも計算自体が複雑になるといったデメリットがあります。そこで、妥当性のある予算設定の方法として挙げられるのが目標基準法です。


目標基準法は、コミュニケーションの具体的な目標を設定し、目標達成のために行うタスクを考え、その実行に要するコストを推計するというやり方です。目標基準法のすすめ方は、次のようなものです。

市場シェアの目標値を定める。コミュニケーションで到達可能な市場比率を決める③新しいプロダクト/ブランドを認知し、実際に試用してもらう見込み客の比率を設定する。④試用率1%あたりのコミュニケーションの露出回数を決める。GRP(Gross Rating Point)を決定する。GRPに基づいた必要予算を確定する。

目標基準法の問題は、多くの場合、どのタスクがどの目標を達成するかを明確にすることが難しく、市場シェアの目標値、試用率、目標GRP等の設定に正当性を持たせることが容易ではないとされています。けれども、経営者は取り組まなければならないということにはなります・・・。


6.「コミュニケーションミックスの選択と予算配分

予算は、広告、SP(セールスプロモーション)、PR、人的販売、ダイレクトマーケティングなどの様々なコミュニケーション・チャネルに配分します。IMCの考え方に基づけば、多様なプロモーションは、その組み合わせが調和を保てるように統合されなければなりません。広告、SP、PR、人的販売、ダイレクトマーケティングについての特徴は、次のブログをご覧ください(ブランディング (7)マーケティングミックス⑤ プロモーションその1プロモーションその2)。

ところでマーケティングの大家の一人であるアルライズは、2002年に米国で著した『ブランドは広告でつくれない』の中で、消費者からの信頼獲得と購入(または利用)の動機づけを狙いとしたブランド構築において、広告はもはや不適格なもので、PRこそがより優れたコミュニケーション手段であると述べています。また、ブランド構築を成功させるためには、PRのあらゆる可能性を試した後でなければ、広告は絶対に使用するなとまでいっています。

広告業界で頻繁に使われている言葉に、クリエイティビティがあります。ライズは、クリエイティビティの一般的な定義(新しくて今までになかったものを探求すること)に触れ、つまるところクリエイティビティは独創性を非常に重視するものだと指摘しています。けれども、この「新しくて、今までにはなかったもの」ではブランドを守ることはできず、消費者がブランドをひとたび認識すれば、消費者心理に共鳴することこそ必要であり、独創的であるクリエイティビティはブランドには不要であると述べています。

その事例(広告ではなくPRによるマーケティングの成功例)として、ライズはマイクロソフト、インテル、アマゾン・ドットコム、ヤフー、リナックス、スターバックス、ザ・ボディ・ショップなど、今日、世界的に知られているブランドの数々を挙げています。今となっては四半世紀前の主張ですが、現在でも十分通用するばかりか、ライズの主張を立証するより多くのエビデンスがあるように思います。

コミュニケーションミックスの予算配分については、次回にしたいと思います。


3/09/2026

ブランディング (7)マーケティングミックス⑤ プロモーションその9

ここまでは、コミュニケーションを効果的に行うための8つのステップのうち、最初の3ステップについて述べました。1市場の理解とターゲットオーディエンスの明確化、2コミュニケーション目的の設定、3コミュニケーションの設計。今回は、4ステップめのチャネルの選択についてです。


4「コミュニケーションチャネルの選択

プロモーションには多くの種類がありますが、組み合わせはどのようにすればよいのでしょうか。組み合わせ方のひとつに、前回(プロモーションその8)概説した心理上のプロセス(たとえばAIDMAなど)に沿って、つまり消費者の心理段階に合わせてプロモーションの方法を適用するというやり方があります。

たとえば、A(Attention)では、消費者の注意を引くため、認知度を上げていくために、広告やPRを使います。I(Interest)では、認知されても興味が薄いようであれば、広告やPR以外に、イベントやSPなども行いながら消費者の関心を惹きつけます。街角に著名人や芸能人が突然現れるといったイベントなどは、ターゲットの興味をかきたてるものです。

D(Desire)では、ニーズを喚起するため、SPやダイレクトマーケティング、人的販売などを組み合わせて、ターゲットセグメント毎にマッチするベネフィットをアピールしていきます。このDでは、販売現場の対応が重要になります。特に最寄り品をはじめ、シーズンに入ったばかりの衣料品、人気の高いAV機器やスマートフォンなどの新製品といった買回り品については、消費者の衝動買いや、ブランドの変更(ブランドスイッチ)が、売上げに大きな影響を与えます。そのため、店頭陳列の仕方、セールスパーソンの接客術、POP、景品、季節性を捉えた催事など、多様なSPを組み合わせることが必要で、他社との違いを見せていくことが重要です。(最寄り品、買回り品についてはこちらを参照してください→ブランディング (7)マーケティングミックス③ 価格その3)

M(Memory)は、記憶を呼び覚ましたり、悩む消費者の背中を押せるような口コミや、SP、人的販売を用います。A(Action)は、購入/利用につながる具体的な機会を、SPや人的販売などで行います。心理段階でどれか1つのプロモーションだけを用いるということはまずなく、一般的には多くの手法を用いることが多いはずで、その典型が新車の販売になるでしょう。


或いは、上記のような一連の流れで捉えるのではなく、個別にチャネルを考えていくというやり方もあります。この場合は部署ごとにタスクをこなせるため、ある意味効率的ともいえ、実務では多く使われるかもしれません。ただ、最後にそれぞれを組み合わせて、ひとつのブレない、一貫性のあるメッセージにして発信することは難しくなるため、注意が必要です。


コミュニケーションの手段は、人的なチャネル、或いは非人的/ノンパーソナルなチャネルに分けて考え、そのいずれか或いは両方を選択します。

人的コミュニケーション・チャネルとは、コトラーによれば、複数、一対一問わず、対面、電話、eメール、手紙、チャット(AIによるものもこちらに含まれるものとします)、口コミなどの評価サイト、さらには企業や専門家のチャネルなども含めます。こういたチャネルを通したコミュニケーションは、消費者と直接コミュニケーションが行いやすく、且つフィードバックも得やすくなります。

非人的/ノンパーソナルコミュニケーション・チャネルとは、個人との直接的な接触やフィードバックは関係なく、コミュニケーションメッセージを届ける手段全般を指すものとコトラーはいっています。メディア、セールスプロモーション(SP)、イベントなどで、一人または複数の人に対するコミュニケーションの手段です。(なお、SPはやり方次第では、人的コミュニケーションになる場合もありますが、ここではノンパーソナルなチャネルとして捉えます。)

メディアには、新聞雑誌などの印刷媒体、テレビやラジオなどの放送媒体、衛星やケーブルなどのネットワーク媒体、ビデオなどの電子媒体、広告・看板・ポスターなどのディスプレイ媒体が挙げられます。セールスプロモーションには、サンプル、プレミア、クーポン、小売流通企業向けの販促奨励金などになります。

イベントとは、ターゲットオーディエンスに対して何らかのメッセージを伝達するために催されるもので、スポーツやアートなどの展示会をはじめ、招待/サービス/インセンティブ旅行、パーティ、広報による記者会見などが含まれます。イベントには人的側面が強く表れることがあるため、非人的コミュニケーション・チャネルという言い回しよりも、ノンパーソナル・コミュニケーション・チャネルという方がしっくりくるかもしれません。

なお、コトラーは、この非人的/ノンパーソナルコミュニケーション・チャネルに、雰囲気を含めていることがあります。プロダクトを購入/利用しようという気持ちにさせたりするような仕掛けや環境などを指しています。この雰囲気は、物理的環境/physical environmentという言葉に置き換えたほうが、よりふさわしいでしょう。メーカー以上に、サービス業ではコミュニケーションを行う上で、重視すべき不可欠な要素といえます(SMM (2)サービスの構成要素 ③サービスマーケティングミックス)。


人的、非人的問わず、コミュニケーションする相手が、自社または自社プロダクトをどのように見ているかによって、コミュニケーションメッセージの受け取り方は変わってきます。企業やプロダクトに対する信頼度が高ければ、メッセージを好意的に受けとめてくれるでしょうが、そうでなければ受け取り自体を拒否されることもあるため、コミュニケーション手段の選択には注意が必要です。

メッセージを伝達した後は、できればフィードバックを得たいものです。特に、重点ターゲットオーディエンスからでは尚更です。コミュニケーション担当者は、少なくとも、ターゲットの認知度と反応はおさえなければなりません。

たとえば、新興のITメーカーが発売したデバイスに関するウェブ広告を打った場合、フィードバック調査の結果、ターゲットに据えたある地域に住むアニメ好きの10代の85%がその広告を見て、そのうちの60%がそのデバイスを家電量販店などで試用したけれども、実際の購入にはその60%のうちの5%しかいなかったとしましょう。この場合は、プロモーション自体は認知度向上の点では成功しているといえますが、プロダクトの実売につながったとは言い難いでしょうから、製品自体を改善するか、或いは顧客接点を改良する必要があると考えられます。もしこれが仮に、10代の20%しか広告は見ていないが、その75%が購入しているという結果であったとすれば、実売につながるだけの魅力が製品にはあると判断できる一方で、認知度の大幅な向上を企図したプロモーションプログラムを練らなければならない必要があることがわかります。


IMC(統合型マーケティング/Integrated Marketing Communications)を提唱したといわれているドン・シュルツは、企業は多数あるコミュニケーション・チャネルを統合して、それぞれを調整しながら、一貫性のある説得力に富んだ明快なメッセージを発信しなければならないと説いています。ここでいうコミュニケーション・チャネルとは、主として、広告、セールスプロモーション、PR、人的販売、ダイレクトマーケティングの5大要素を組合せたプロモーションミックス(ブランディング (7)マーケティングミックス⑤ プロモーションその1)を指しますが、多種多様なチャネルを全てシームレスに統合することを、IMCは企図しています。ロシターとパーシーは、IMCは次の3点を行うことと簡潔に定義しています。

①適切なタイプの広告とプロモーションを選択的に組み合わせること(現実には、多くの企業が別々に行い、それぞれが意思決定している)。

②ブランド独自のマクロのポジショニングを支援するものであること。

③顧客に対しては、時間の経過による変化が起こっても、一貫したコミュニケーションを行うこと。


次回は、5番目のステップ「コミュニケーション予算の決定」についてです。



3/02/2026

ブランディング (7)マーケティングミックス⑤ プロモーションその8

前回は、コミュニケーションを効果的に行うための8つのステップのうち、最初の「市場の理解とターゲットオーディエンスの明確化」について述べました。今回は、2つめのステップ「コミュニケーション目的の設定」と、3つめの「コミュニケーションの設計」についてです。


2「コミュニケーションの目的設定」では、マーケティング/ブランド担当者は、コミュニケーションをとおして、ターゲットオーディエンスからどのような反応を得たいのかを、はじめにはっきりさせなければなりません。通常であれば担当者が望むオーディエンスの反応は、プロダクトの購入/利用になるはずです。けれどもコミュニケーションには一定の時間を要します。一般的に言って、メッセージの受信者が、すぐにプロダクトを購入/利用するということは稀なことです。このため担当者は、受信者の心理上のプロセスを見極めることが重要になります。


心理上のプロセスを検討するのに役立つものとして、よく知られているものにAIDMAというフレームワークがあります。Attention/注意、Interest/興味、Desire/欲求、Memory/記憶、Action/行動、これら5つの頭文字を取った用語で、アナログ時代の消費者行動を読み解く基本として活用されてきました。消費者は、まずプロダクトの存在を知り、興味を抱き、欲しいと思うようになり、それを記憶して、最終的に購入/利用に至るというもので、Attentionは認知の段階、Interest、Desire、Memoryは感情の段階、Actionは行動の段階になります。(なお、AIDMAのMを除いたAIDAというフレームワークもあり、人によってはこちらのほうがよりシンプルで使いやすいかもしれません。)

オーディエンスがプロダクトを知らなければ、Aでは、注意を引くように、認知度を上げていくようにしなければなりません。Iでは、認知されていても興味がないようであれば、興味を持ってもらえるように、プロダクトの特性などを訴求することで、関心を惹きつけるようにします。Dでは、興味があってもプロダクトを欲しいと思ってはいないため、ニーズを喚起していきます。Mは欲しいと思ったことを忘れてしまっているため、記憶を呼び起こす必要があります。そして、最後のAでは、購入/利用のアクションにつながる具体的な機会を提供することで、オーディエンスに行動を起こしてもらうようにします。

このように、マーケティング/ブランド担当者は、オーディエンスがどの段階にあるかを見極めて、コミュニケーションする必要があり、見込みのあるオーディエンスの頭(または心)の中に、ポジショニングできるようにしていきます。


アナログ的なAIDMAに対して、電通が提唱したAISASというインターネット上での購買行動の心理モデルがあります。Attention/注意、Interest/興味は同じですが、次にSearch/検索、その後Action/行動、最後にShare/共有というながれになります。

AIDMA、AISAS、または他のいかなるフレームワークを用いようとも、重要なことは、ターゲットオーディエンスが、購入/利用に至る過程で、今はどの段階にいて、次はどこへ持っていくのが良いのかを把握しておかなければならないということです。そうでなければ、的確なコミュニケーションなどできるはずがありませんし、ましてやプロダクト/ブランド・ポジションなど確立しようもないからです。


ポジショニングの3段階手法を提唱したジョン・R. ロシターとラリー・パーシーは、コミュニケーション目的の選択は、カテゴリーニーズ、ブランド認知、ブランド態度、ブランド購買意図、購買促進という5つの基本的なコミュニケーション効果に関する選択肢から行われると述べています。

(3段階手法については、こちらをご覧ください→ブランディング (5)ポジショニング ⑤3段階手法i X-YZモデルその13段階手法ii X-YZモデルその23段階手法iii I-D-Uモデルその13段階手法iv I-D-Uモデルその23段階手法v a-b-eモデルその13段階手法vi a-b-eモデルその23段階手法vii ポジショニング・ステートメント3段階手法viii まとめ)


3「コミュニケーションの設計」では、何を、どのように、発信するかを決めていきます。「何を」はメッセージ、「どのように」はクリエイティブで、この2つをいかに組み合わせるかということになります。

メッセージは、AIDMAのながれのように、消費者を惹きつけることができれば理想的でしょう。マーケティングコミュニケーション担当は、メッセージを創るにあたり、何を(メッセージの内容)、どのように(メッセージの構造と形式)語るのかを決めなければなりません。

コトラーはこれらについて、メッセージ特に広告には、機能訴求、情緒訴求、倫理訴求という3つの訴求があると述べています。

メッセージの構造では、3つの点を検討する必要があります。広告主が結論を引き出すのか、或いは問いかけをするにとどまり、購買者が結論を出すようにするのかが1点めです。2点めは、主張はプロダクトの良い点だけにするのか、または長短どちらも行うのか。3点めは、最も強い主張をはじめに持ってくるのか、最後にまわすのかということです。

メッセージや表現アイデアについては様々な理論がありますが、経営/ビジネスコンサルタントである筆者が述べるのはあまり適切なことだとは思いませんので(広告クリエーターの人たちが語るべき)、コミュニケーションの設計については、これで終わりにしたいと思います。次回は、4つめのステップ「コミュニケーションチャネルの選択」から始めます。


ブランディング (7)マーケティングミックス⑤ プロモーションその13

今回は前回からの続きで、コミュニケーションを効果的に行うための8ステップの最後になる 「 コミュニケーションの効果測定」 についてです。これまでの内容は、以下をご覧ください。 1 「市場の理解とターゲットオーディエンスの明確化」(プロモーションその7 ) 2  「コミュケーション...