業界を問わず、ソリューションビジネスへの転換が国内で叫ばれて、もう20年近く経ったのではないでしょうか。
この点において、国内外でのIBMの取組みは、今でも大いに参考になると筆者は思います。自身が在籍し、当事者でもあったわけですから、当然といえば当然なのかもわかりませんが、先んじていたのは事実でしょう。
国内で、よく知られたものに、小松製作所の事例があります。ご存知の方も多々いらっしゃるでしょうから、詳細は省きますが、要は、世界中で展開する建機をネットワークでつないで、GPSで建機1台ごとに個体認識し、メンテナンスや、遠隔操作で盗難防止などをはかる。そういったことを実現するシステム(KOMTRAX/コムトラックス)を構築し、運用したという事例です。これが、(単なる)製品の販売から、ソリューションへの転換、顧客課題を解決した、日本発の先駆的な事例で、もう20年以上も前のことになります。昨今IoTが取り上げられていますが、これなどは、時代を考えればまさに革命的といっても、差し支えないでしょう。
そして、今は同じ製造業ならブリジストンが、少し前なら金融ではメガバンクが、よくニュースに取り上げられました。
少し話が飛躍するかもしれませんが、コロナ禍で、従来のビジネスモデルが崩壊し始めている業界が少なくありません。
先の住宅・不動産業界もそうですが、化粧品業界、特に高級化粧品などが該当します。百貨店などでの店頭販売/カウンセリングが基本的にできない状態(または、相当の制約を受け続けている状態)が3年以上続いているわけですから、当然といえば当然です。特に、外資系のトップメーカーであるクリスチャンディオールやエスティローダーなどは、大変な状況下で、想像を超える努力を、営業パーソン(店頭販売員)の方々はされていらっしゃいます。ただ、経営層が見落としてはならないことのひとつに、個人個人の努力ではもはやどうしようもない状況にあるということ。
そういった企業や業界と比べて、口でどれだけ危機感を唱えていても、事実上、何も実行していないような企業(さすがに固有名詞を述べることはできませんが)は、衰退、事業縮小、場合によっては清算されてもやむをえないことですし、また、そうなるべきだろうと、筆者は思います。
組織として、営業力を強化していくためにはどうすればいいか。あまり大上段に構えすぎると、日常のささいなこと、でも非常に重要なことを見落としてしまいがちです。ですので、次回の本ブログ(営業力強化)では、まずは個人ベースでできることから、考えていきたいと思います。