10/09/2022

地方創生 沿線価値の向上②

沿線価値に、サステナビリティの要素を加えることは言うまでもないでしょう。サステナビリティで最も重要なことは、各施策をアライメントさせることに尽きると、筆者は考えます。要は、会社として、また沿線として、打ち手がチグハグであれば、沿線価値を決めるお客様は混乱します。ですので、全体を俯瞰して、細部を決めていく。または、細部を決めながら、全体とのバランスをとるといったことが必要です。

また、サステナビリティに限ったことではありませんが、複数のタイプの沿線を保有する企業であれば、グループ本社が各事業会社の施策をうまくマネジメントすることが必須となります。所謂ステークホルダー(たとえば、利用客や一般消費者、投資家など)にどう映っているか、また、どう見せていきたいか、そういったことをコントールするのが本社の役割であるのは明白です。そして、このためには、各社、各取組みの現状がしっかり見えているかが、前提として必要になります。

加えていえば、投資家とのコミュニケーションツールとして位置付けられている統合報告書の作成を考えれれば、尚更、統合的な思考で、サステナビリティをとおして、沿線価値を検討することが必須といえます。

サステナビリティには、少なくとも気候変動対応と、生物多様性を外すことはできません。前者には、ネットゼロ(CO2フリー)ヘ向けた様々な打ち手、電力調達の見直しに留まることなく、オペレーションの見直しや、プロダクト/サービスの見直しが必要になってきます。

この見直しのためには、サーキュラーエコノミー(CE)の考え方を取り入れた沿線開発が有効といえるしょう。ただ、ここで気をつけたいのは、日本本来の循環型経済の営みをしっかり活かしながら、投資家向けのコミュニケーションを的確に行うことだと筆者は考えます。つまり、欧米型サーキュラーエコノミーの考え方のみに拘泥することなく、日本独自の、或いは日本がはるか以前から行ってきた循環型経済/サーキュラーエコノミーの良さを、分かりやすく、且つ明確に伝えていくことが重要になります。

生物多様性については、風力や水力といった再生可能エネルギーの活用方法も、一部再考する必要があるように思われます。沿線に、海や山などの大自然があれば、多様性と再エネのバランスを保つことが必要です。

以上のようなことから、沿線価値向上を目的としたサステナビリティについては、ガバナンスを如何に効かせるかといった、持ち株会社のリーダーシップが強く期待されているといえます。





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