広告代理店が、今以上に、価値ある提案をするためには、どうすればいいのでしょうか。シンプルに考えれば、コミュニケーションマネジメントと、プロジェクトマネジメントを、まずは、営業パーソン各人がしっかり自分のものにすることだといえます。
但し、前者のコミュニケーションマネジメントについては、テクニック的なことも重要ですが、何より、クライアントの話をしっかり聞くこと。素直な気持ち、謙虚な態度で、顧客と向き合うことから始める必要があります(勿論、全ての営業パーソンがこうしなければいけないというわけではありませんが、少々、わがままな人が多いと思いますので、あえてこのように書いています)。とにかく、自分の考えは、いったん胸の内に秘めておくこと。
その上で、顧客課題に対する仮説を、自分の頭で考えていくという二段構え的なものが必要だと思います。
話は少しそれますが、聞く、話す、読む、書くのなかで、一番難しいのが、聞くこと。その次が、話すことだと筆者は思います。読んだり、書いたりするのは、意外とそう難しくない。何故なら、基本的に自分自身で、その行為が完結するからです。聞いたり、話したりするのは、相手が存在するため、そう簡単ではない。
いずれにせよ、まずはしっかり相手/クライアントの話を聞くこと。これができるかどうかが、最初の関門になります。とはいえ、相手が会ってくれなかったらどうするか。その時は、相手が欲している情報を考えて、それを提供していく。仮に、それが自社で提供できるものではなかったとしても、まずは提供できるようにすることを考えてみるべきしょう。とにかく、相手のことがわかるようになるまで、考え続けることが必要です。はじめのうちは、間違えることも多々あるでしょうが、続けていくことが重要です。
そして、自身で各商談の場に対して、起承転結のイメージを描いてみることが必要になります。自分(自社)の狙いや思惑と、相手/クライアントの状況や理解などについて、イメージしていく、それを膨らませていく、改良を加えていくといったことを商談前の時点ですべきでしょう。商談は1回限りではないでしょうから、都度、行うことが必要になります。
なお、後者のプロジェクトマネジメントについては、紙数の関係もありますので、この場では行わず、別の機会にしたいと思います。
旧来の領域で実績をあげてきた営業パーソンほど、コミュニケーションについては、大きな壁が立ちはだかるのではないでしょうか。時には、ロールプレイングも取り入れて、教育を繰り返し行っていくのが、最終的な近道になるだろうと思います。ただ、時間はそう長く待ってくれませんので、何はともあれ、少し乱暴な言い方になりますが、強制的に行動様式を改めさせることが必要になる場合が少なくありません。大ナタを振るうというのであれば、ここから全てが始まるのだろうと思います。続きは、次回とさせていただきます。